佐世保から西海パールラインにのって、西彼杵半島を長崎市に向かって南に南に下っていく途中、緑のアーチを何度もくぐってたどり着いた半島のちょうど真ん中に、ここ音浴博物館があります。廃校になった元小学校の分校を修復した建物は、学校だった当時の面影を残していて、なんだか懐かしい感じ。取材当日は、ちょうどクリスマス前ということもあって、建物の外に付けられたスピーカーからは、山下達郎のクリスマス・イブが大音量で流れていました。あたりの森に響き渡る「きっときみはこない〜♪」いったいどんなところなんだろう…?

中に入ってみると、エントランスホールで出迎えてくれたのは、かの有名なビクター犬『ニッパー』くん。このスペースには戦前の名オーディオ機たちがところ狭しと並んでいてオーディオの歴史を知ることができるようになっています。
なんとレコード時代のオートチェンジャーつきジュークボックスなんてものが!初めてみたーー!案内人の高島正和さんにコインをもらって挿入口から1枚チャリン。
いとしのエリー、いちご白書をもう一度、ブルーシャトーなど、懐メロがいっぱい!聴きたい曲の番号を押すと、レコードが選ばれて、再生される仕組み。隊員、流れてくるれコードの音に耳を奪われました。レコードって…なんていい音!!
ここ音浴博物館には、エジソンが発明した蝋管レコードが聴ける手回しの蓄音機から真空管アンプまで、アナログ・レコードを再生することができるオーディオ機器や、SP盤、LP盤、ドーナツ盤など約15万枚ものレコードがコレクションされています。
さて渡り廊下を通って、通称『蓄音機の館』へ…
こちらのスペースには、昭和生まれには懐かしい『テープレコーダー』のコレクション。写真は東京通信工業(ソニーの前身)による日本初のテープレコーダと、その上にのっかってるのがWALKMAN。その大きさの違いにびっくり。ヒャー!今でこそ音楽は携帯するのが当たり前になっているけど、このWALKMANがそのハシリなんだもんなぁ!

そして、ズラリと並ぶのは、圧巻の手まわし蓄音機約60台と、SPレコード約10,000枚!奥に見えるのは、楽器のコレクション。その他、楽譜や懐かしい書籍の数々、和文タイプや手まわし計算機など、音楽にまつわるものだけでなく、昭和の香りがただよう品々が莫大な量収容されています。

レコードや蓄音機をコレクションする博物館は他にもあるけれど、ここ音浴博物館のスゴイところは、好きなレコードを見つけたら、特別な許可などを必要とせず、蓄音機やオーディオセットなど、好みの機器で自由に聴くことができるようになっていること。
「レコードは聴いてなんぼ。擦り切れるまで聴いて聴くことができなくなったら天寿を全うしたということ」それが音浴博物館の創始者である栗原榮一朗さんの精神。昭和22年に福岡に生まれ、大阪や岡山の電機メーカーや設計事務所で働いていた栗原さんは、骨董品店の手伝いをしていた時に出会った蓄音機やSPレコードの魅力に取りつかれ、いつしか莫大にコレクションするようになりました。これらを収容して自由に楽しんでもらえる場所を求め、平成13年、10tトラック4台分の宝物を携えて、岡山からこの地に移住。音浴博物館を開館したのち、平成17年5月に57歳の若さで亡くなってしまいます。
榮一朗さん亡き後は、奥さんである節子さんが館長となり、 榮一朗さんの想いに共感したスタッフの方々が、音浴博物館を訪れる人々の案内人となり、アナログの音の魅力を伝え続けています。
さて、蓄音機の館から、LPホールへやってきました。こちらには、文字通り、約15万枚のLPレコードやドーナツ盤が収容されています。明治・大正・昭和にかけての流行歌や歌謡曲、童謡、クラシック、ジャズやロックなど、邦楽・洋楽ともに幅広いジャンルを網羅。さて、隊員のお目当てはあるかな?
薪がくべられた暖炉の前のロッキングチェアに座って、お気に入りの一枚を。1wの真空管アンプから聴こえてくるレコードの音色は、格別です。(ちなみにこの時聴いたレコードは、隊員が選んできたフランクザッパ !)
奥にあるイベントホールでは、定期的にレコードコンサートを開催。たまにライブなども行われているそう。ここには世界遺産とよばれる1950年代のビクターオーディオーラや、JBL4345、タンノイモニターゴールドなど、1950年代から2000年代までのスピーカー15セットが並べられ、聴き比べを楽しむことができます。

やっぱり、スピーカーも昔のものは音がまろやかでいいなぁ。案内人・高島さんがかけてくれた美空ひばり。目を閉じているとご本人が目の前で唄ってくれているみたい。『あ〜ァ〜川のながれのよう〜に〜♪』波長がなめらかなアナログ音は、暖かでやわらかな音として人の体に届きます。音に対する加工がされないため、耳では聞こえなくとも脳には届く音域も含まれていて、より自然に近い音を記録し再生されるとか。そして昔のステレオは、現代のものよりも、より左右だけでなく前後の関係も表現することができる豊かさがあり、臨場感あふれる音を再現できるのだと、高島さんが教えてくれました。

フランクザッパが好きだと言うと、若い女性のスタッフの方が、隊員にオススメしてくれた『ペンギンカフェオーケストラ』。この日以来、大好きになりました♥こういう出会いが嬉しい、音浴博物館。一日居ても、何度来ても飽きそうにないとびきりのスポットです。きっとまた来ます!

    
■音浴博物館

0959-37-0222
長崎県西海市大瀬戸町雪浦河通郷342-80
10時〜18時営業
月(祝の場合は翌平日)・年末年始は休み
一般500円、小中250円
http://onyoku.org/


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