午後は、飯田農協ドライブインで待ち合わせ。

県道621号線を由布方面へ車で15分ほど行くと、
「男池園地」と書かれた看板が見えてきます。
100台駐車できる大きな無料パーキングにはもうかなりの車が!

男池は、広葉樹の原生林が広がる黒岳の
美しい自然によって育まれた池。
その湧き水は日本名水100選にも選定されており、
飲用水として持ち帰るためにタンクやペットボトルを持った人が
この日もたくさん来ていました。

男池の入り口で清掃協力金として100円支払って
さぁ、「男池周辺散策」に出発!
入り口から男池までは遊歩道があり、水を汲みに来た人には嬉しい仕様。
この場所は男池と登山道とちょうど分かれ道。
この日は黒岳の登山口にあるかくし水の湧き水を目指し、
帰りに男池と名水の滝に立ち寄るルートなので、まずは右散策コースから!
5月初旬とは思えないくらい、日差しが強く、爽やかな夏のような日。
けれど、「原生林のある九州でも数少ない山」といわれる黒岳では、
ブナ、カエデ、 コナラ、クヌギなどの多様な種類の広葉樹が茂り、
太陽の光を遮ってくれるので、涼しく気持ちがいい!
「コレはマムシグサっていいます。茎の部分の模様がマムシに似ているんですよ。
特徴は、小さいころは雄株ですが、成長するにあたって雌株に転換するところ。
種を作れるまで栄養を蓄えて、種が出来たら雌株になるんです。
有毒なんですが、触れるくらいなら大丈夫。一応サトイモの仲間なんですよ。」
増田さんが丁寧に説明してくれる、植物の名前や詳細がおもしろい。

「男池の周辺は、坊がつるとはまた違った植物が楽しめます。」
可愛いきのこも発見!
「きのこは、なかなか種類が多いのでぼくには断言できないんですが、
ガイドの中に“大分きのこ会”の会員で、きのこに詳しい人もいます。
絶対に見たいきのこが見れるわけじゃないので、難しい部分もありますが、
きのこ観察などのプランなどもお問合わせいただければ可能です。」
「あそこにあるのがセントウソウという花です。
これはツクバネソウ。
こっちはウグイスカグラ、美味しい赤い実を付けます。
この実を食べたウグイスが踊るほど
おいしいっていうのが名前の由来だそうです。」

個人的に来たら、ただただ通り過ぎていた景色の中に
こんなにたくさんの種類の草花があり、
ひとつひとつ特徴があるんだなぁと不思議な気持ちになりました。
この円になっているのはギンリョウソウの芽。
成長するとムーミンに出てくるニョロニョロのように
真っ白で細長い不思議な形になるのが特徴。
森のなかで白い植物ってとっても神秘的。
誰かがギンリョウソウを石で囲んで
踏まれないようにしていたのが、またとても素敵。
目を凝らして地面を見ていると、
4.5月に咲くフデリンドウを発見!
男池には可憐で小さなお花がたくさん!
どこを写真にとっても絵になるのも魅力です。
「わぁ、可愛いお花〜!」

「ここはなだらかな山なので、散策気分で
カメラを持ってくる人が多いんですが、
4月〜5月に来るカメラマンの多くは
このヤマシャクヤク目当てなんです。
また、6月は、この葉の緑がどんどん濃くなって
鬱蒼とした森になります。
すると、また雰囲気がガラッと変化するんですよ。
四季によって変わる見所も森のおもしろさです。」
パッと目に飛び込んでくるヤマシャクヤクは、
50センチほどの大きさに、丸く大きな花びらが特徴。
2〜3日で花びらが散ってしまうというその儚さも魅力のひとつ。
凛と背筋を伸ばして咲いてるヤマシャクヤクはとっても美しかった。
男池入り口から1時間ほどで、目的のかくし水に到着!
かくし水も黒岳大自然がつくる飲料可能の湧き水。
「すっごく冷たい!おいしいっ!」
真夏でも気温が8度までしか上がらない、
かくし水は、ひんやりと涼しく、最高の休憩スポットなんです。
近くで野鳥たちの声が聞こえます。
「その水が流れてる石の隙間に、巣を作っている鳥がいたんですよ」。
増田さんがそう話していると、ちょうど巣に戻ってきたと思われるミソサザイが!

「かわいいーーーっ!!」
森にはシジュウカラやウグイスなど可愛い野鳥もたくさん。
この日もキレイなさえずりがそこら中から響いていました。
野鳥の写真を撮りに来るなんていう目的もいいなぁ。
リュックからポットとコップ、そしておやつを取り出す増田さん。
この「男池周辺散策」は、嬉しいティータイム付きなんです。

「ちょっと休憩しましょう」。

こんな森の中、のんびり鳥の声を聞きながら
コーヒーを飲むって、なんて贅沢な時間なんだろう。
びっくりするほど、コーヒーもおやつも美味しく感じて、
ストレスなんか一気に吹っ飛んでしまう。
絨毯のように広がるスギゴケや蛇苔などのミクロの世界。
コケが多いのは、水が清らかな証拠。
しっとりとした空気に包まれた、神秘的なため息ものの美しさです。
行き掛けに見た案内看板の場所まで下ったら、次は左へ。
男池を通り越して、お先に名水の滝へ。
落差が少ない小さめの滝ですが、
みずみずしいひんやりとした空気は避暑地としてもバッチリ。
歩いて火照った体をクールダウンしてくれました!
そして、最後に男池へ!
宝石のような青色が目を見張る美しさでした!
美味しさにも定評がありますが、そのヒミツは
黒岳の地下水が、数か月から1年以上の長い時間をかけて
地層を通り抜けて湧き出すため、
カルシウムなどのミネラル分を適度に含んでいるから。

ここまで4時間ほど。汗もずいぶんかいた私たち。
ゴクっと水を飲んでみる。
「あれ。水ってこんなに美味しかったっけ」。
「あ、あそこに何かいます」

「この音はキツツキじゃないかなぁ。
ここにはいろんな動植物が共存しているからこそ
自然を守っていかないといけないと思っています」。

くじゅうネイチャーガイドクラブは、ガイドの他にも
登山道の調査や、野焼き、盗採防止パトロールなど
九重の環境保護活動にも力を入れています。
そんな中で悲しいことに、香りの良いクロモジの枝や
新芽が美味しいと言われるコシアブラなど、
珍しい植物や貴重な植物などを持ち帰ったり、
折ったりしてしまう人もいるそうで…。

「くじゅう連山は阿蘇くじゅう国立公園の敷地なので、
動植物や土石を採取したり傷つけるのは自然公園法で禁止されています。
また何より、芽が出てから大人になれる植物はほんの一握り。
ほとんどのものが、途中で動物に食べられたり、
芽が密集しているため栄養がいかなかったりで育ちません。
せっかく長い年月をかけて立派に成長した木々や草花を
折ったり抜いたりしたら、とてもかわいそうです。」
実際男池に行って、散策すると、本当に小さな草花をみても
すべて美しく、生命力の力強さに感動します。

そんな自然を未来に残していくために、
ひとりひとりがしっかりマナーを守ることが
とても大切なんだと改めて思いました。

●くじゅうネイチャーガイドクラブ

 

ガイドのお問合わせはメールから

info@kuju-ngc.com

http://kuju-ngc.com



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